鳥たちは春の繁殖期だ。
山の畑で草取りしていると、ウグイスの高らかな鳴き声が、私の頭上で響き渡った。
まだお相手が決まらない雄なのか、「オレ、こんなに長く鳴けるんだ、どうよ!」とでも言いた気に、とびっきりの美声をこれでもかくらい繰り返す。
山の空気が切り裂かれるようだ。
なかなかラブコールは成就しない。
また場所を変えて別の方角から、同じように鳴き声が続く。
かなり、ご熱心、とても”さえずり”なんて言ってられないボリューム。
生き物の大本命である繁殖のために、鳥たちは、それこそ生涯を懸けてパートナーを探し当てるのだろう。
あの小さな体(私にはその姿を決して見せないが)であんなにも強く鋭い求愛の声を出し続けるなんて、こっちが切なくなるだろ。
本能のなせる業は、神秘としか言いようがない。
神の創りたもうたものは偉大だ。
人類は、もはや、繁殖のために命をかけたりしなくなった。
そしたら、いったい何のためにその力を尽くすのか?
神が人間に与えた命題は、何だろう?
人類存続のためにできること、すべきこととは?(話がでかい)
今、思いつくのは、藤井風さんを推すことくらいだな。