今日もHEHNを聴きながら、風さんの、心に染み入る声にうっとりする。
ボーカル・レコーディングの時の、ヘッドホンに手を当てて身体をくねくねさせながら目を閉じてマイクに向かう風さんを思い浮かべて、私も同じものが見えるように願いながら目を閉じる。
今まで何千回も聴いてると思うけど、どうしてこんなに胸に響くのか。
風さんの歌唱方法は、たぶん他のボーカリストとちがって、話するときとあまり変わらないんじゃないかな。
よく、歌うように話すと表現することがあるけど、風さんは反対に、話すように歌ってると思う。
しゃべるときのように息をたくさん混ぜたまま無防備に声を出すから、歌声に気取りがない。
聴き方によっては、それが、投げやりな印象になる。
サビで声を張るときも、ビブラートを効かせずに真っすぐに投げ出す。
変化球や奥の手を使わずに音を充てていて、迷いがない。
ファルセットでさえ話し声に聞こえるほどだ、どういう技術?
きっと、内緒話が得意だと思う。(耳元であんな声でささやかれたら、こっちが大声出してまうがな)
低音はもちろん海の底のようにズシンとえぐってくるから、よだれが落ちそうじゃなくて、凄みも感じる。
音域”やば。”
あの声量で話し声みたいって、肺活量どうなってんの?
話す時より数倍滑舌いいの、なんで?
やっぱり藤井風さんは、本物の歌う人なんだな。
神様、ありがとう。