「嘘」のない人

アレックスさんのインタビュー記事を読んだ。

最近メディア露出機会が増したダンサーの川本アレクサンダーさんだが、明るく正直なお人柄が良く出ているインタビューの中で、藤井風さんのどんなところに一番影響を受けたかという問いに答えて、フリーダンス中の「風さんの動きがナチュラルで嘘がなかった」こと、と答えている。

彼にとって「噓」とは、”人に良く思われたいからこそやってる”ようなことだと。

 

自分の行動の発端が人から良く思われるため、というのは、世の中ありがちなこどだ。

しかし、その為には、どうしたら人は良いと思うか知らなければならない。

つまり、自分ではなく他人の判断基準をよく理解するということだ。

それは優劣をつけるための相対的基準だから、いつも周りを気にしてなくちゃいけないね。

自分で考えるのではなく、情報を仕入れなくちゃいけないわけだ。

確かに、コンテストや評価競技(フィギアスケートなんか分かりやすい)で人に勝つには、その判定基準を知らなくてはならないね。

 

人生はちがうから。

そんなことをするくらいなら、恥かきながらでも自分を磨こう、というのが風さんだ。

人間に優劣なんてない。

そういうことを考えさせてくれるのが、藤井風さんなんだと思う。

 

でも、住んでる社会のルールに沿わなければならないのも現実で、大多数の人間は、楽なほうを選んでしまうんだよ。

弱い人間が社会から良い評価を得るために、あるいは、はじかれないために、お決まりのポーズをする、それを「噓」と言ってるんだよね。

嘘も方便で、必ずしも悪いことじゃないけど、ありのままで美しい人間がいるってことを、私は(きっとアレックスさんも)知ってしまったんだ。

(本来、全ての人間は美しいはずなんだと言ってるのが、藤井風さんでもある。)

 

藤井風さんは人間なので、それでも完璧じゃない。

そこがまた、たまらなく私を惹きつける。